ソトマチブログ

動物病院の離職率が高い理由とは?|現場で起きている課題と改善のヒント

26.02.07

猫を抱える動物病院スタッフ

「スタッフがなかなか定着しない」
「せっかく育てても、数年で辞めてしまう」
「慢性的な人手不足が続いている」
このような悩みを抱えている動物病院の方も、多いのではないでしょうか。
動物病院は、獣医師や愛玩動物看護師など専門性の高い人材によって成り立っています。
一人のスタッフが退職すると、単純に人数が減るだけではありません。
採用や教育に新たなコストがかかるほか、残ったスタッフの業務量が増え、さらなる離職につながることもあります。
動物病院の離職を防ぐためには、「辞める人を引き止める」だけではなく、スタッフが長く働き続けられる環境そのものを整えることが重要です。

この記事では、動物病院の離職率が高いと言われる理由やスタッフが退職を考える主な原因、定着率を高めるために病院側ができる対策について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、自院の職場環境や業務の仕組みを見直す参考にしてください。

動物病院の離職率はなぜ高いと言われる?

動物病院では、獣医師や愛玩動物看護師の採用・定着に悩むケースが多くあります。
ただし、「動物病院の離職率は◯%」と一つの数字だけで考えることには注意が必要です。
動物病院には、院長と数名のスタッフで運営する小規模な病院から、数十人以上が勤務する動物医療センターまであります。
また、獣医師と愛玩動物看護師では仕事内容やキャリアの考え方も異なるため、離職の状況を一括りにすることはできません。

それでも離職が課題になりやすい背景には、動物病院特有の業務構造があります。
動物病院では診療が長引けば予定どおりに休憩を取れないことがあり、急患が来れば業務の予定も変わります。
さらに、診療だけでなく

  • 受付
  • 電話対応
  • 入院管理
  • 飼い主様への説明

など、さまざまな業務が同時に発生しやすいです。
こうした複数の要因が重なることでスタッフの負担が蓄積し、離職につながることがあります。

動物病院でよく見られる離職の原因

動物病院の離職率が高くなりやすい背景には、単一の原因ではなく、いくつもの要因が重なっています。
まずは、離職につながりやすい代表的な原因をいくつか見ていきましょう。

長時間労働や休憩を取りにくい

長すぎる労働時間は離職につながる大きな要因の一つです。
動物病院では、予定どおりに診療が進むとは限りません。
例えば、午前診療の終了間際に急患が来院したり、手術が予定より長引いたりすることもあります。
さらに外来が集中すれば、診療時間が延び

  • 休憩時間を十分に確保できない
  • 昼休みに入院管理や電話対応を行う
  • 診療終了後もカルテや片付けが残る
  • 退勤時間が日によって大きく変わる

といった状況が起こることもあるでしょう。

多少の残業が発生することは医療現場では避けられない場合もあります。
しかし、それが日常化すると身体的な疲労が蓄積し、長く働き続けることが難しくなります。

業務範囲が広く常に余裕がない

動物病院では、診療そのもの以外にも多くの業務が発生します。

例えば

  • 受付
  • 電話対応
  • 会計
  • 問診
  • 入院管理
  • 清掃
  • 在庫管理
  • 飼い主様への説明

などです。

特に少人数で運営している病院では、一人のスタッフが複数の業務を兼任することも珍しくありません。
「電話に出ていたら診療補助に入れない」
「受付対応をしていたら入院動物の処置が遅れる」
といった割り込みが繰り返されると、常に目の前の業務に追われる状態になります。

単純な業務量だけでなく、「自分の仕事を中断され続けること」もスタッフにとって大きなストレスになり得ます。

給与と業務内容が見合っていないと感じる

給与も、離職を考える大きな要因の一つです。
動物病院の仕事には専門知識が必要であり、動物の命に関わる責任も伴います。
愛玩動物看護師は国家資格となり、獣医師の指示のもとで行える診療補助の範囲も広がりました。
専門職として求められる役割が増えるなかで、仕事内容や責任に対して十分な評価を得られていないと感じれば、転職を考えるきっかけになる可能性があります。

一方で、病院側が給与を上げ続けるためには、安定した経営も必要です。
スタッフの待遇改善を考えるうえでも、単純に人員を増やすだけでなく、限られた人員で無理なく運営できる仕組みづくりが重要になります。

人間関係やコミュニケーションの問題

人間関係は離職に繋がりやすい要因でもあります。
動物病院は、獣医師や愛玩動物看護師を始めとした多くのスタッフが連携して診療を行う職場です。
スタッフ同士の距離が近い分、人間関係の問題が働きやすさに大きく影響することがあります。

  • 相談しにくい
  • 質問すると怒られる
  • 特定のスタッフに仕事が偏っている
  • 指示する人によって内容が違う

といった状態では、安心して働くことが難しくなります。
特に新人スタッフの場合、分からないことを聞けない環境は、精神的な負担だけでなく医療上のミスにもつながりかねません。
定期的にコミュニケーションを取れる機会をつくり、問題を早期に把握できる環境を整えることが大切です。

成長実感や将来像を持ちにくい

獣医師や愛玩動物看護師は、専門職として「どのようなスキルを身につけられるか」を重視して勤務先を選ぶことがあります。
しかし、日々の業務に追われていると、新人教育やスタッフへのフィードバックに十分な時間を確保できません。

その結果

  • いつまでも同じ業務しか任せてもらえない
  • 何を身につければ評価されるのか分からない
  • 数年後のキャリアを想像できない

といった不安が離職につながることがあります。

忙しい病院ほど教育時間を確保することが難しくなりますが、スタッフの成長を支える仕組みは長期的な定着を考えるうえで重要です。

待ち時間やクレーム対応による精神的ストレス

動物病院では、診療が混み合うことで待ち時間が長くなることがあります。
その際、飼い主様から、「あとどれくらいかかりますか?」「ずっと待っているんですけど」といった問い合わせを最初に受けるのは、受付や愛玩動物看護師であるケースも多いでしょう。

診療時間を自分でコントロールできないにもかかわらず、不満を直接受け止め続けることは精神的な負担になります。
待ち時間そのものを完全になくすことは難しくても、現在の待ち状況を分かりやすくしたり、順番が近づいたら呼び出したりすることで、飼い主様とスタッフ双方のストレスを軽減できる場合があります。

パソコンの前で頭をかかえる女性医師

動物病院では一人の離職が次の離職につながることもある

動物病院で特に注意したいのが、人手不足と離職の悪循環です。
一人が退職すると、その人が担当していた診療補助や受付、入院管理などを残ったスタッフで分担する必要があります。

すると

  • 人が辞める
  • 残ったスタッフの業務量が増える
  • 残業や休日出勤が増える
  • 教育や休憩に使える時間が減る
  • スタッフが疲弊する
  • さらに退職者が出る

という状態に陥ることがあります。

また、新しいスタッフを採用できたとしても、教育には既存スタッフの時間が必要です。
慢性的に余裕がない状態で採用だけを繰り返しても、十分に教育できず、新しく入ったスタッフが早期に退職してしまう可能性があります。
そのため、離職対策では「辞めたら採用する」という対応だけでなく、そもそもスタッフが疲弊しにくい業務構造をつくることが重要です。

離職率を下げるために考えたい視点

動物病院の離職率を下げるために重要なのは、個々の努力や根性論ではありません。
現場の負担を軽減するための「仕組み」を整えることが、大きなポイントになります。
ここからは、スタッフが長く働きやすい環境をつくるためのポイントを見ていきましょう。

業務量や残業が偏っていないか把握する

まずは、どの業務がスタッフの負担になっているのかを把握することが大切です。
単純な勤務時間だけではなく

  • 電話対応にどれくらい時間を使っているか
  • 受付が集中する時間帯はいつか
  • 誰に業務が偏っているか
  • 診療終了後にどの業務が残っているか

などを確認してみましょう。
「昔からこの方法だから」と続けている業務のなかに、改善できるものが見つかることもあります。

スタッフが本来の業務に集中できる環境をつくる

すべての業務をスタッフが直接対応する必要があるとは限りません。
例えば、予約の電話をスタッフが一件ずつ受けているのであれば、オンラインで予約できる仕組みを導入する方法があります。

問診についても、来院してから一件ずつ聞き取るのではなく、事前に入力してもらえれば受付業務を減らすことができます。
人にしかできない診療補助や看護、飼い主様とのコミュニケーションに時間を使えるよう、「人がやらなくてもよい業務」を減らしていくことが重要です。

診療が集中しすぎない仕組みを整える

特定の時間帯に来院が集中すると、待ち時間が長くなるだけでなく、スタッフの負担も一気に大きくなります。
予約や受付方法を見直し、来院をある程度分散させることができれば、診療の流れを整えやすくなります。

また、手術が長引いた場合や急患対応が必要になった場合などに、受付人数を調整できる仕組みがあると、現場の状況に合わせて無理のない診療体制をつくりやすくなるでしょう。

教育やフィードバックの時間を確保する

忙しい病院では、教育が「診療の合間に教える」だけになりがちです。

しかし、スタッフの定着を考えるなら

  • 新人教育の流れを決める
  • 習得するスキルを明確にする
  • 定期的に面談を行う
  • 成長を評価する

といった仕組みも重要です。

そのためには、まず日常業務を効率化し、教育やコミュニケーションに使える時間を確保する必要があります。
業務効率化は、単純に「少ない人数でたくさん働くため」に行うものではありません。
生まれた時間をスタッフの休憩や教育、診療の質向上に使うという視点が大切です。

スタッフの声を聞きながら改善する

経営者や院長が負担だと感じている業務と、現場のスタッフが負担だと感じている業務が同じとは限りません。
定期的な面談やミーティングなどを通じて

  • 何に時間を取られているのか
  • どの業務にストレスを感じているのか
  • どこを改善すると働きやすくなるのか

を確認することも大切です。
現場の声を取り入れながら改善を続けることで、スタッフ自身も「働く環境を一緒につくっている」と感じやすくなるでしょう。

離職率対策では「採用」と「定着」をセットで考えることが重要

人手不足になると、どうしても「まず採用しなければ」と考えがちです。
もちろん、新しいスタッフの採用は重要です。

しかし、毎年スタッフが辞めてしまう状態のまま採用活動だけを強化しても、人手不足を根本的に解決することは難しいでしょう。

採用したスタッフが長く働ける環境を整えることで

  • 採用活動にかかるコストを抑えられる
  • 新人教育を繰り返す負担を減らせる
  • 経験のあるスタッフが増える
  • 診療や接遇の質を維持しやすくなる

といったメリットも期待できます。
「どうすれば人を採用できるか」だけでなく、「どうすれば今いるスタッフに長く働いてもらえるか」という視点を持つことが、安定した病院運営につながります。

受付・予約業務の見直しも動物病院の離職対策の一つ

動物病院の離職率を下げるためには、

  • 給与
  • 人間関係
  • 教育体制
  • 勤務時間

など、さまざまな要因を総合的に見直す必要があります。

一方で、電話や受付、待ち時間への問い合わせなどが日々の負担になっている病院では、その部分を仕組み化することも職場環境改善の一つです。

例えば

  • 飼い主様自身が予約・受付を行う
  • 来院前に問診を入力してもらう
  • 順番が近づいたら自動で通知する
  • 当日の受付状況をスタッフ間で共有する

といった仕組みを整えることで、スタッフが一件ずつ対応する業務を減らすことができます。
「忙しいから人を増やす」だけではなく、「現在の人数でも無理なく働けるよう、業務そのものを見直す」という考え方も重要です。

動物病院専用の受付システム「ソトマチ」という選択肢

ソトマチは、動物病院専用に設計された受付・順番管理システムです。

LINEを活用して

  • 日時予約
  • 順番待ち予約
  • LINE問診
  • 呼び出し通知

などを行うことができます。
飼い主様自身がLINEから予約・受付を行えるため、スタッフが電話や窓口で対応する業務を減らすことが可能です。

また、順番が近づいた飼い主様へ呼び出し通知を送ることで、自宅や車内などで待ってもらいやすくなります。
待合室や駐車場の混雑、待ち時間に関する問い合わせの軽減にもつながるでしょう。
ソトマチを導入した動物病院からも、電話問い合わせの減少や待合室・駐車場の混雑緩和、スタッフの業務負担軽減などの声が寄せられています。

もちろん、予約システムだけで離職率を改善できるわけではありません。
しかし、スタッフが日々感じている小さな負担を一つずつ減らし、本来の診療や看護に集中できる環境を整えることは、長く働きやすい職場づくりにつながります。
「スタッフを増やしても忙しさが解消されない」「電話や受付対応に時間を取られている」という動物病院様は、業務の仕組みそのものを見直す方法の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

スマホを指差す女性看護師

まとめ

動物病院で離職が起こる背景には、長時間労働や業務量の多さ、給与、人間関係、教育体制、将来への不安など、さまざまな要因があります。

そのため、離職率を下げるために一つの対策だけを行っても、十分な改善につながらない場合があります。

大切なのは、スタッフが何に負担を感じているのかを把握し、給与や働き方、教育体制などとあわせて、日々の業務の仕組みも見直すことです。

スタッフが無理なく働き続けられる環境を整えることは、離職防止だけでなく、採用後の定着や診療の質、安定した病院運営にもつながっていくでしょう。

よくあるご質問(Q&A)

動物病院の離職率が高くなる主な理由は何ですか?

A.動物病院の離職率が高くなる主な理由は、業務量の多さや精神的ストレス、人手不足による負担増などが重なるためです。
とくに受付や電話対応、クレーム対応などが集中しやすく、心身の負担が蓄積しやすい環境になっています。
こうした要因が重なることで、離職につながりやすくなります。

動物病院で離職率を下げるためにはどのような対策が有効ですか?

A.離職率を下げるためには業務負担を軽減する仕組みづくりが有効です。
受付や問診の効率化、待ち時間の見える化などによってスタッフのストレスを減らすことができます。
個人の努力だけでなく、現場全体の流れを見直すことが重要です。

予約システムや受付システムは動物病院の離職率改善に役立ちますか?

A.予約システムや受付システムは業務の負担軽減につながるため、離職率改善に役立つ可能性があります。
電話対応や受付業務が減ることで、スタッフが本来の業務に集中しやすくなります。
結果として働きやすい環境づくりに寄与します。